乳がんサバイバーに実施したアンケートをご紹介します。今回のテーマは「乳がん治療と仕事との両立」です。
乳がん罹患のピークは30代後半から50代。この年代の多くの方が乳がんと告知された当時、なんらかの形で働いています。
乳がんと告知された時、仕事はどうしたのでしょうか? 乳がんになった後のワークスタイルはどのように変わったのでしょうか。乳がんサバイバーのリアルな声をご紹介します。
- 調査期間:2018年4月6日~9日
- 対象:乳がんと診断された当時、企業で働いていた女性
- 回答数:100名
乳がんと診断されたとき、仕事はやめましたか?
Q1:乳がんに罹患したのはいつですか?
今回のアンケートに回答いただいた方の乳がんの罹患時期は2018年から2016年までが全体の92%を締め、アンケートには乳がんと診断された当時の声が反映されていることがわかります。
Q2:乳がんと告知された後、当時働いていた会社で仕事を続けましたか?
近年、がんと告知され会社を辞めてしまうことが新聞・ニュースなどでよく取り上げられますが、今回のアンケートでは8割以上の方が乳がんと告知後も同じ職場で働き続けています。
Q3 Q2で「乳がんと告知され会社を辞めた」と回答された方にお聞きします。辞めた理由は何ですか?
Q2で「会社を辞めた」と回答した13名の方にその理由を聞くと、10名の方が「乳がん治療と仕事を両立する自信がなく、自分から辞めた」と回答、会社から辞めるように言われた、と回答された方はいませんでした。 また「その他」の回答も、「自分のやりたい職種への転職」「違う人生を生きようと思った」など、ポジティブな理由でした。
乳がんサバイバーが考えるワークスタイル
Q4 現在、求職・転職を考えていますか?
求職を考えている・良い条件があれば考えたいを合わせると全体の31%となりました。7割近くの方は現在、求職・転職を考えていないとの結果となりました。
Q5 Q4で「求職・転職を考えている」「よい条件の会社があれば求職・転職を考えたい」と答えた方にご質問します。今後会社を選ぶ際、どの点を重視しますか(複数回答可)。
13名の方がワークライフバランスが整った会社で働きたいと回答。乳がんになることは、働き方を見直したり、これからの人生を考えるきっかけとなっているようです。
Q6 Q4で「求職・転職を考えている」「よい条件の会社があれば求職・転職を考えたい」と答えた方にご質問します。今後会社を選ぶ際、どの点を重視しますか(複数回答可)。
この質問に回答された方の9割以上の方が、会社を選ぶ際に重視することとして「労働条件」を挙げています。体への負担を気にされているのがわかります。
乳がんになってからの働き方でおすすめなのがリモートワークです。
リモートワークなら、時間や場所から自由にお仕事ができるので、乳がん治療中であっても治療のスケジュールや体調に合わせて働くことができます。また一度スキルを身につければ長く働くことができるのも魅力です。
Q7 乳がんになってから働くことへの考え方は変化しましたか
実に8割の方が、乳がんになって働くことへの考え方が変化したと回答しています。
Q8 Q7で「変化した」と回答された方にお聞きします。どのように変化しましたか(複数回答可)。
やはり乳がんになったことをきっかけにワークライフバランスについて見直される方が多いようです。また「周りの人への感謝の気持ちが強くなった」と回答された方が多いことからも、乳がんという経験が生き方に与える影響の大きさがわかります。