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【乳がんと私】乳がんで失ったものは何もないことに気づいた(cocoさん 40歳)

 仕事と治療をうまく両立し忙しい毎日を過ごしていましたが、治療が落ち着くと、漠然とした不安が湧き上がってきました。このとき乳がんサバイバーからかけられた言葉が、cocoさんの気持ちを楽にさせてくれます。

ーー手術後の病理の結果はどうでしたか?

ステージ2、グレード1のホルモン陽性で、ホルモン治療と放射線治療をすることになりました。2月の末から治療をスタートしました。

ーー放射線治療中、お仕事はどうしてましたか?

もともと自転車通勤をしていたんですが、病院と会社が近いので、会社から病院まで自転車で通っていました。病院の滞在期間は約30分、前後の移動を含めても45分くらいで済みました。もともと外出することも多かったので、45分くらい席をはずしても不自然ではなかったんです。上司の理解もあったので25回通うことができました。

ーーそれはよかったですね。ホルモン治療のほうはどうでしたか?副作用とかは?

ノルバデックスを毎日2錠、3ヶ月に1度、ゾラデックスの注射。副作用なんですが、ちょっと暑いかなーという程度でほとんどないんですよね。

ーーそうなんですか。ホルモン治療の副作用で悩まれている方多いですよね。

私もホルモン治療を始める前に調べて、関節痛とかうつとかホットフラッシュとかあるのかな、と思って先生に聞いてみたんです。そしたら「あーー副作用はそんなにでないよ」とまた軽い感じで(笑)

ネットでいろいろ書いてあるんですけど、と言ったら「ああいうのは辛い人が書くのであって辛くない人は書かないんだから」って。先生はたくさんの患者さんを診ていて、副作用で辛い人もいるけど辛くない人のほうが多いことを経験的に知っているんですね。それを聞いてからもうネットは見ないようにしました。

乳がんと私

ーーネットの情報はネガティブなものが残りやすいから気をつけないといけないですよね。では治療はその後順調に?

はい。ただ、2月に手術が終わって放射線治療も終了してしまうと、診察の回数がめっきり少なくなってしまって。4月からは3ヶ月に1回になってしまったんです。

がんの治療って過酷なイメージがあったんですが、毎日ノルバデックスを2錠のむだけだし。いままでものすごく走ってきた感じがあったので、すっかり気が抜けてしまったというか。

そのとき、あるがん患者支援をしているNPO団体で、がんサバイバーの方と1対1で相談できる機会があったんです。そこでそのときの漠然とした不安を話してみました。私の話を聞いた彼女から「失ったものなんて何もないじゃない、悩むことなんてないわよ」って言われて。考えてみれば、乳がんになって彼氏と別れたわけでもないし、仕事を失ったわけでもない。

ーー医療費でお金とかは?

私、医療保険に女性特約をつけていたんで、むしろプラスなんです(笑) それで、あー本当に私は乳がんになって失ったものはなにも無いんだな、ということに気づいて、それからは悩むことを止めました。

治療が落ち着いたときに先生からは「もう病気であることは忘れちゃっていいよ、昔そんなことがあったねーって言うときがくるから」って言われたんだけど、そのときは何を言うんだ!って全然理解できなかったんですが、先生は、あなたは悩むほどの悪い病理タイプではないんだから、悩む必要がないっていうこと伝えたかったんだな、ということがだんだん理解できるようになりました。

再発の不安はありますけど、先生が大好きで、先生が大丈夫って言うから大丈夫。 見つかったら見つかったときに先生に頼るだけ。あんまり考えないようにしています。

診察のときは先生と話すのが楽しくて、笑って診察室から出てくるんです。大丈夫って言ってくれる人が近くにいるといないとでは大違いですね。私は長期的な再発のほうが心配なんですけど、いまからどうこう考えても仕方が無いからのんきなのかな。

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