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乳がんの休職期間の平均は?できるだけ早く仕事に復帰するための方法

乳がん情報サイトBC&Meでは、乳がんと診断されてから、治療、そしてその後の日常生活までをサポートする情報を発信しています。

乳がんと診断された時に仕事をしている場合、治療によってどれくらい仕事を休まなくてはいけないか、またいつ仕事に復帰できるか不安になると思います。

乳がん治療が始まっても、なるべく仕事は休みたくない…!

残念ながら乳がん世代の方が一度仕事を辞めてしまうと復職するのが難しいのが現状です。治療費のことを考えるとなるべく仕事は休まずに早く復帰したいですよね。

なるべく仕事を休みたくないならば、あらかじめ乳がんの治療が仕事に影響を与える期間の目安について知っておきましょう。

結論から言うと、乳がんでどの治療を受けるか、治療の副作用がどの程度でるか、本人の気持ちなどによって仕事への復帰の時期は異なります。

そこでこのページではなるべく仕事は休みたくないという方に向けて治療法別に仕事への復帰の目安について解説します。

またできるだけ早く仕事に復帰するための方法についてもご紹介します。

乳がん治療と仕事を両立されている方はたくさんいます!準備を万全にして不安なく乳がん治療と仕事を両立させましょう。

Contents

乳がんの休職期間の平均は?

2015年に発表された研究で、乳がんで復職までかかる平均日数は209日約7か月という報告があります。

下の表が示すように、病休開始日から60日後にフルタイムで復職した人は全体の11.4%、短時間労働での復帰率は30.9%で、短時間労働のほうが復帰率が高いことがわかります。また1年後にはフルタイムでは76.6%、短時間労働では90.3%の方が復帰しています。

乳がんの累積復職率

フルタイムでの復帰率短時間労働での復帰率
60日11.4%30.9%
120日27.0%60.8%
180日38.5%71.1%
365日76.6%90.3%
「がん患者の就労継続及び職場復帰に資する研究より作図

ただし、このデータはあくまでも平均値なので、治療の種類、仕事の内容や本人の意向などによっても変わってきます。

7か月を待たずに仕事に復帰された方や、入院の時だけ会社を休み、他の治療は有給や時間給などをうまく使うことで長期に休むことなく仕事を続けられている方もいます。

以下に各治療別に治療期間・体への負担を解説しますので、自分の場合は休職期間がどれくらいになるか確認してみましょう。

治療法別 治療期間の目安

検査

乳がんと診断される前もされた後も様々な検査が続きます。半日や一日だけで終わる場合も多いので、半休や有給を活用しましょう。

手術

手術は術式や術後の経過により入院期間が異なりますが、一般に手術の1~2日前に入院し、乳房温存術の後は3~7日程度、乳房切除術の後は7~10日程度で退院となります。

一般に乳房の切除手術は内臓系の外科手術とは異なり、体力や食欲が落ちることはありません。術側の腕がすぐに上がらない、重いものが持てない、などといったことはありますが、体自体は術後すぐに動けるようになります。

部分切除で傷口の回復が順調な事務職の方の場合、退院の翌日から仕事に復帰した方もいます。

術式によっては術後安静との指示がでる場合があります。どこまでなら体を動かしてよいか、あなたの仕事の内容(デスクワークか、重いものを頻繁に持つか等)を医師によく説明し相談しましょう。

放射線治療

16~30回程度、平日毎日通って放射線の照射を受けます。

照射にかかる時間は準備や着替えなどを含めて30分程度で、それに受付や会計の時間が加わります。

半休を利用するほか、時間単位の休暇取得が可能か会社に相談してみましょう。

また放射線治療だけ会社の近くの病院に変えることも可能なので医師に相談してみましょう。

抗がん剤治療

仕事との両立で一番心配なのが抗がん剤治療ではないでしょうか?

薬剤によっても異なりますが、3週間おきに4クール(約3か月間)の投与が多いようです。初回は、入院して投与する場合もありますが、現在、ほとんどの抗がん剤投与が入院ではなく通院で行われています。投与時間は2時間程度が一般的で、投与終了後、仕事に行くことも可能です。

抗がん剤の副作用には個人差が大きいのですが、吐き気などの副作用を抑える薬も同時に処方されるので、比較的体調の良い方は、仕事の内容にもよりますが、抗がん剤治療中も仕事をしている方もいます。

抗がん剤の副作用はどの程度、どの時期に出現するかを事前に予測することは難しいので、予防・対策は万全に行いましょう。抗がん剤治療は数ヶ月続きますので、初回の投与で様子を見てから働き方を決めることもできます。

​毎日の生活の中でのちょっとした工夫やお手入れ、また事前の準備で、抗がん剤の副作用を抑える・軽くすることができます。抗がん剤の副作用対策についてはこちらの記事を参考にしてください。

ホルモン療法

乳がんのホルモン療法は術後、再発予防のために5~10年続けることが一般的です。

経口剤を毎日、もしくは数ヶ月に1度の注射をします。ホルモン療法は女性ホルモンの働きを抑えるため、更年期障害に似た副作用症状が出ます。ホットフラッシュ、関節の痛み、気分のムラなどがよく報告されますが、ほとんど感じない人もいるなど個人差も大きいのが特徴です。仕事をしていると副作用が気にならない、という声も聞かれます。

乳房再建

乳房再建は術式によって入院期間が異なりますが、インプラントだと1週間程度、自家再建の場合は2週間程度入院が必要となります。

乳房再建に関しては、まだまだ社会的な理解が十分と言えず、切除手術と違って、再建のために会社を休むのは言い出しにくい、という声も聞かれます。

でも、乳がんは再建までが治療です。スムーズに治療に入るためにも、普段からコミュニケーションをとっておく、周りに乳がんに関して理解してもらう、などを心がけ、環境を整えておくことも必要でしょう。

乳房再建についてはこちらのページにもまとめています。

乳がんの治療中も仕事を続けるためには

体調とメンタルを整える

例えば抗がん剤治療では、白血球の数値が低いなどの体調が万全でない場合、投与が見送られる場合があります。投与スケジュールが後ろにずれてしまうので、仕事への復帰が延びてしまうことも。

また治療の副作用で体調が悪くなるだけでなく、気分の落ち込みといったメンタルが原因で体調を崩される方も実は多くいます。

気分の落ち込みはそのままにせず早めに医師に相談しましょう。薬が処方される場合もあります。

会社に働き方を調整してもらう

一時的に重いものを持つ仕事から離れる、通勤ラッシュを避けるように出社時間をずらしてもらう、リモートワークにしてもらう、など会社に働き方を調整してもらうだけで、働き続けることができます。

自分にはどのような配慮が必要か明確にして、会社に相談してみましょう。

家事などは外部サービスを利用する

体調が辛い時は、すべてを今まで通りこなすのは難しいものです。今は便利なサービスがたくさんあるので、辛い時期はこうしたものを利用しましょう。

例えば食事の準備。抗がん剤の副作用で味覚障害が出ている場合、味付けが難しくなります。調味料がついている食材セットや、栄養士監修のお惣菜などを自宅まで届けてくれる便利な宅配サービスがあります。

乳がんでも続けやすい働き方を見つける

乳がんの治療が一段落しても、転移や再発の不安は続きます。治療費や将来のことを考えると仕事は続けたい、でも体への負担が心配ならば、新しい働き方を見つけませんか?

今はリモートで仕事することが一般的になってきました。

リモートワークなら時間と場所から自由に働くことができるので、自分の体調や治療のスケジュールに合わせて仕事をすることができます。

PCのスキルに自信がない、という方も大丈夫。今は全くの初心者から短期間でプロになれるスキルが身につくオンラインスクールもあります。職種によっては2か月でフリーランスとして仕事を始めた、という方も!

乳がん治療をきっかけに新しい働き方をみつけよう

乳がんの治療期間の目安とできるだけ早く仕事に復帰するための方法についてご紹介してきました。

早く仕事復帰するために
  • 乳がんの平均休職期間は209日
  • 実際にはどの治療の種類、副作用の出方、職種などにより休職期間には個人差がある
  • なるべく早く仕事に復帰するためには

乳がんは治療期間よりもその後の人生のほうが長く続きます。今後も仕事を長く続けるためには、体の負担が少なく自分のペースで働ける仕事にキャリアチェンジすることも考えてみましょう。

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