乳がんサバイバーに実施したアンケートをご紹介します。 今回のテーマは乳房再建です。
乳房再建手術が保険適応になったことをうけ、乳房全摘手術→乳房再建手術を選ぶ方が増えてきました。
しかし、乳房再建手術には術式が複数あり、また「乳房再建をしない」という選択肢もあるため、多くの方が悩まれている事と思います。
そこで参考になるのが少し先を歩く先輩サバイバーのリアルな声です。
実際に乳房再建を選択された方は、今何を思っているのでしょうか。サバイバーのリアルな声をご紹介します。
- 調査期間:2018年6月12日~19日
- 対象:乳がんの乳房全摘手術後に乳房再建手術を行った方
- 回答数:21
Q1:乳房再建手術をしたのはいつですか?
今回のアンケートに回答いただいた方の乳房再建手術の時期はは2018年から2016年までが全体の92%を締め、アンケートには乳房再建を行った当時の声が反映されていることがわかります。
Q2:乳房再建手術の術式を教えてください。
乳がんの術式には自家(自分の体の組織)を使った再建法とシリコーンでできたインプラントを使った再建法の2つがあり、再建の時期によって一次(乳房切除手術と同時)と二次(乳房切除手術からしばらく経ってから)の2つがあります。
アンケートの結果によると自家再建とインプラントによる再建を選ばれた方はほぼ同じ割合でしたが、どちらもそのうち7~8割の方が一次再建を選ばれています。
Q3 なぜその術式をえらんだのですか?
その術式を選んだ理由を術式別にまとめました。
自家再建(一次)
- インプラントも考えましたが、メンテナンス面や加齢による左右バランスが悪くなる点があるため、自家組織での再建にしました。
- インプラントに抵抗があったから。
- 全摘・再建なしというのは、自分の中で選択肢になく、次に再建方法では自家組織だと一生ものという先生の言葉で決めました。
- 人工物でなく自分のもので再建できることに魅かれた。手術を1回にしたかった。
- 人工物を入れることに抵抗があったのと、温かく柔らかいお胸が欲しいと思ったから。
- 手術回数を一回で済ませたかったから。
- 自家組織を使うので違和感がないと思ったからと インプラントの感染症が怖かったから。
- 一度の手術で終わる ・自家組織を使用した方が信頼できる。
自家再建(二次)
- 選択の余地がなかった
- 異物を体内に入れたくなかったから。
インプラント(一次)
- 何度もオペをするのが嫌だったし 先生のすすめで。
- 切除手術と同じタイミングで再建したほうが効率的且つ安価で対応できるため。
- 入院する回数を減らすため 。子どもが小さいので カタチなど細かいところは気にしない。
- 他に傷を作らずに同時再建出来るから。
- 両側乳がんのため、自家再建不可だったから。
- 摘出と再建が 同時に進められるから。 乳房がなくなる喪失感が避けられると思い選びました。
- 自分に最適だと思った。
- 胸がなくなるが嫌だったから。自家組織だと体に傷つくのも嫌だったから。
インプラント(二次)
- 担当医と話し合い、私の状態に一番適してると思ったから。
- 自家組織再建は入院期間も長く、家族に迷惑をかけてしまうし、他の部分を傷つけて再建するのにも抵抗があった。 インプラントの二次にしたのは、希望する手術日が乳腺外科と形成外科で調整出来なかったのと、手術前後に抗癌剤治療もあったので、治療を優先したい気持ちもあったから。
- 腹筋や背筋を使ってまで再建したくなかった。
自家再建を選んだ方の多かった理由が「人工物(インプラント)に抵抗がある」、インプラントを選んだ方の多かった理由は「自家再建だと傷ができる・手術時間が長い」でした。 また二次再建よりも一次再建を選んだ方が多かった理由は「何度も手術をしたくない」でした。