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乳がんの治療費 トータルでいくらかかる?治療費の平均は?

乳がん情報サイトBC&Meでは、乳がんと診断されてから、治療、そしてその後の日常生活までをサポートする情報を発信しています。

がんというととても高額な医療費が何年も続くイメージをお持ちではないでしょうか? 

これからいくら医療費がかかるのかしら…。今後のことがとても心配だわ。

確かにがんの先進医療の一部には高額なものもありますが、乳がん治療は保険診療がとても充実しているので、ほとんどの方が、保険診療の範囲内の治療を受けることになります。

医療費自体はとても高額ですが、様々な制度を使うと実際に支払う額の総額の平均は20~40万円とされています。

また民間のがん保険に入っている場合、かかった医療費以上のお金が戻ってくる場合もあります。

このページでは、高額療養費制度など活用したい制度をご紹介するとともに、治療費全体で総額いくらかかるかを実際に計算してみました。

Contents

とても充実している乳がんの保険診療

日本の医療保険制度では、自由診療保険診療の2つがあります。

自由診療とは、医師が自身の裁量で施術の内容と費用を決めます。自由診療の中には先進医療も含まれます。

先進医療とは、特定の大学や研究機関なので研究・開発された難病などの新しい治療法や手術などを指し、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にあるものです。先進医療は全額自己負担になるため、確かに医療費は高額になる傾向にあります。

一方、保険診療とは公的医療保険が適用される診療で、診療の内容も費用も保険制度で決められています。

がん治療の場合、先進医療のイメージを強く持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、乳がんに関しては、保険診療の内容が非常に充実しているため、基本的には、ほとんどの方が標準治療保険診療の範囲内で受けることになります。

標準治療とは

現時点での最新の研究に基づき、もっとも高い効果と安全性が期待できる治療を標準治療と呼び、乳がんに関しては日本乳癌学会がガイドラインを作成しています。

「標準」という名前から、もっと優れた医療が存在するのではないか、と思われがちなのですが、標準治療とは数多くの症例に基づいて導き出されたエビデンスのしっかりとした信頼のおける治療法です。

あたかも「がんが治る」かのようなような表現をする代替医療や健康食品が世の中にはたくさんありますが、これらはエビデンスに乏しいのが実情です。まずは医師としっかり相談の上、標準治療を選択しましょう。

高額療養費制度を使えば安心!

費用の相談は早めにしましょう

治療費はどの治療を受けるかによりますが、一番高額になるのが入院・手術をした月になると思います。

入院日数や術式によっても治療費は異なりますが、どの程度高額になったとしても、高額療養費制度を申請し、限度額適用認定証を利用すれば、窓口負担額はある一定の額に収まります。

高額療養費制度とは医療費が高額になったとしても、所得に応じて窓口負担額を一定の額以下に抑えることができる制度です。

この額は所得によって異なるのですが、金額の目安は下記のようになります。

  • 所得の標準月額が26万円以下の場合、一か月の窓口負担額の上限は57,600円
  • 所得の標準月額が28~50万円の場合、一か月の窓口負担額の上限は8万円程度
  • 所得の標準月額が53万~79万円の場合、一か月の窓口負担額の上限は17万円程度

たとえば、一ヶ月の総医療費(10割)が100万円、窓口負担割合が3割、月収が28~50万円の間の方の場合、実際の窓口負担額は詳しい計算式は割愛しますが87,430円となります。(この世帯の場合、医療費がどんなに高くなったとしても、実際に支払う額は月額8万円程度で済む、ということです)

この時、限度額適用認定証を提示しない場合、とりあえず窓口で30万を支払い、高額療養費の申請をすることで212,570円が払い戻されます。しかし、この払い戻しまでには3ヶ月ほどかかってしまいます。

あらかじめ限度額適用認定証を取得していれば、窓口の負担額は87,430円で済むのです。

限度額適用認定証は加入する健保で手続きができます。発行には1週間程度かかりますので早めに手続きしましょう。

さらに高額療養費の支給が3ヶ月続いた場合、4ヶ月目から自己負担限度額がさらに軽減されます。

高額医療費制度については、病院から説明がない場合もありますので、加入の健康保険組合や病院の相談窓口などに不明点などがあればしっかりと聞いておきましょう。

なお、高額療養費制度は入院だけでなく外来診療にも適用されます。

乳がんの治療費、窓口支払い例

では、所得の標準月額が28~50万円で、高額医療費制度と限度額適用認定証を使い、温存手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つを行った場合の支払い例をみてみましょう。

治療内容自己負担額実際に窓口に払う金額
乳がん切除手術・5日間の入院約18万円8万円程度(入院が同月内に収まった場合)
放射線治療5000円×25回=125,000円月間で8万円程度(通院が同月内に収まった場合)
抗がん剤治療FEC療法:3週間ごと×6回 1回3万円 1回通うごとに3万円 6回全部で18万円
合計34万円程度

この表で示した自己負担額は目安となる金額で、医療機関によって多少前後します。乳がん切除手術と入院、放射線治療は、治療が同月内になるのならば高額療養費制度の適用となり、限度額適用認定証を提示すれば、その月の治療費は8万円程度におさまります。

抗がん剤治療は投与が3週間おきと通院の期間が開いてしまうので、高額療養費制度の適用とはなりません。通院の度に3万円を支払うことになります。

この例では窓口で支払う医療費の合計は約34万円となりました。これ以外にも各種検査費がかかります。

窓口負担額の平均は20~40万円ほどです。高額療養費制度の性質上、治療費は治療内容よりも治療期間が長期になるほど高額になってきます。

民間の医療保険に入っている場合は、保険金が下りるので、負担額は小さくなります。特にがん保険に加入されている場合は、支払われる保険金の方が実際にかかった医療費よりも多く、プラスになることもあります。

ただし、治療にかかる費用は治療費だけでなく、通院のための交通費や抗がん剤治療を行う場合はウィッグなどにもお金がかかりますので、治療費には余裕を持っておきましょう。

治療費については、医療費控除で税金が戻ってきたり、会社を休んでも給与の一部が支払われる傷病手当などもありますので、これらの制度もうまく使いましょう。こちらの記事でご紹介しています。

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