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抗がん剤投与が始まりしばらくすると、副作用で爪が黒ずんでしまうことがあります。
手の指先は視界に入りやすいので、爪の色が黒ずんでいると気持ちも塞ぎがちになってしまいますよね…。
一度黒ずんでしまった爪は切り落とさないかぎり元には戻りません。また爪の色が元通りになるには少し時間がかかります。
黒くなった爪の色をカバーするために普通のマニキュアを使っても大丈夫かしら?
一般のマニキュアで使用するリムーバーは刺激が強いので、この時期は使用を控えましょう。
ただし、水溶性のマニキュアなら使えます! また粘着剤を選べばネイルチップも使えます!
この記事では抗がん剤治療中でも安心して使えるマニキュアや爪周りの便利なアイテムをご紹介します。
黒ずんでしまった爪を綺麗にカバーして、この時期をおしゃれに過ごしていきましょう。
爪に起きる副作用症状
まずは、抗がん剤の副作用で爪が黒ずんでしまう理由を確認しておきましょう。
がん細胞には、細胞が異常に分裂して増殖する性質がありますが、抗がん剤は分裂スピードが速い正常な細胞もがん細胞と認識してしまい攻撃します。
そのため、分裂スピードの速い毛母細胞、生殖細胞、爪、粘膜、舌、骨髄などに副作用が起こります。
抗がん剤の副作用には個人差が大きく、どの症状がどの程度、どの期間発症するか予測するのは難しいのですが、意外に辛いのが爪に現れる症状です。
爪の場合は、爪の付け根にある爪母細胞の分裂スピードが速いため、この部分が抗がん剤の影響をうけ副作用が起こります。
抗がん剤により爪の細胞分裂や増殖が損なわれるため、爪が黒ずんでしまうほかにも、薄く脆くなったり、割れてしまうなどの症状が現れてしまうのです。またこれらがきっかけで炎症が起き、痛みを伴うこともあります。
爪をはじめとした抗がん剤による副作用症状は、抗がん剤の投与が終了すれば次第に治まっていきます。
爪が元通りになるのはいつ?
爪に副作用症状が現れ始まるのは、抗がん剤の投与が始まってから数か月後です。これらの症状は指の爪で半年、足の爪では1年ほどで元通りに再生します。
症状が治まるまでは、爪のケアを丁寧に行いましょう。
伸びた爪は爪切りではなく、ヤスリで整え、短めの長さに保ちましょう。爪切りで切ってしまうと爪が割れたり二枚爪になりやすくなります。
またこまめな保湿も大切です。プロの手を借りて、ネイルサロンで爪のケアをしてもらうのもおすすめです。その際は、抗がん剤治療中であることをネイリストさんに伝えましょう。
黒ずんだ爪をカバー おすすめのマニキュアとケアグッズ
一度黒くなってしまった爪は生え変わるのを待つしかありません。それまでの間、マニキュアで黒ずみをカバーしましょう。
爪をカバーするものにはマニキュア以外にも、ジェルネイルがあります。
ジェルネイルは強度があるため爪の保護に適しているのですが、抗がん剤治療中は免疫力が落ちているので、爪とジェルの間に水分や汚れが入り込み、緑膿菌という細菌が繁殖してしまうことがあります。爪が緑色に変色するためグリーンネイルとも呼ばれます。
また緊急搬送で運ばれるようなときはジェルネイルはすぐにはがす必要があります。ジェルネイルは治療が落ち着いて爪の状態が回復してからにしましょう。
この時期おすすめのマニキュア
マニキュアを落とすときには、一般的にアセトンが含まれる除光液を使用します。アセトンは刺激が強く、マニキュアを落とす際にマニキュアだけでなく指の脂も溶かしてしまいます。抗がん剤の副作用で敏感になった指先にはアセトンの刺激は強すぎてしまうので使用は控えましょう。
ここではアセトンを使用しなくても落とすことができるマニキュアをご紹介します。
お湯で落とせる! パーソナルカラーで選べるネイル
一般的なマニキュアは石油溶剤を使用していますが、RIÉNE
オフしたいときは、お風呂などで指先を温めれば、爪の根元からゆっくり剥がすこともできます。
そしてもう一つのおすすめポイントがパーソナルカラー診断で色が選べるところ!
WEB診断で簡単な質問に答えるだけで、おすすめの色を教えてくれます。
抗がん剤期間中はどうしても肌がくすみがちです。これなら今の肌に馴染む色がみつかりますね。
ブラシの大きさを選べるのも画期的です。
爪に優しい胡粉ネイル
さて、もう一つおすすめが胡粉ネイルです。
胡粉(ごふん)とは貝殻から作られる顔料の一種で、古来より日本画などに使われていました。無臭で除光液を使わずに落とせる、爪にやさしいマニキュアです。すぐに乾くのもうれしいポイント。優しいレトロな色味も魅力です。
胡粉ネイルは消毒用のアルコールで落とすことができます。また手指の消毒に使うジェルなどでも落とすことができます。(ただし、爪の周りに痛みや傷があるときはアルコールの使用は避けましょう)
黒ずみをカバーするためには、薄い色ではなく濃い目の色を選びましょう。
色が剥げてしまったときはアルコールで落とすのではなく重ね塗りすれば、さらに爪への刺激が抑えられます。
胡粉ネイルにはたくさんの色があるのですが、おすすめの2色をご紹介します。
「代州岱赭」(こだいたいしゃ)は深い赤茶。濃いめの色が爪の黒ずみをカバーします。濃いめの色ですが、肌になじみやすいので悪目立ちしません。
江戸時代以前、日本女性の口紅、頬紅に多く使われた色名「艶紅」(つやべに)は深みのある真紅です。普段なら選ばないような色でも挑戦してみるのはどうでしょうか?大人の女性だからこそ似合う色です。
ベースコート・仕上げのトップコートとして利用できる便利アイテム。割れやすい爪を守るので、マニキュアを塗らないときはこれだけでも。
ネイルチップとお湯で落とせる粘着剤
爪の色をカバーするには、マニキュアだけでなくネイルチップも利用できます。
ネイルチップならお出かけの時だけ使うこともできますね。自爪だと難しいような凝ったデザインもネイルチップなら試せます。
ただし、ネイルチップを接着する粘着剤を落とすリムーバーに含まれるアセトンが爪に負担となります。
そこでネイルチップを使うときは、お湯で落とせる粘着剤を選びましょう。
こちらも大人女子向けのシンプルなデザインで短めの長さのネイルチップをセレクトしてみました。貼るだけで簡単に装着できます。
落ち着いたピンク系を3色使ったミックスカラーはシンプルで普段使いにもぴったりです。使い捨てではないので繰り返して使うことができます。ネイリストが1点1点心を込めて作成しているオリジナルデザインチップです。
ネイルチップはネットのほか、ドラッグストアなどでも手ごろな値段で可愛いネイルチップがたくさん売られています。minneのようなハンドメイドマーケットにもかわいいネイルチップがみつかります。
お湯で落とせるタイプの粘着剤はこちらです。
こまめな保湿が大切です!
マニキュアをつけているときも爪への保湿は忘れないようにしましょう。
そもそも爪は乾燥すると割れたり、縦に線が入りやすくなります。乾燥を防ぐためにこの時期はいつもよりも念入りに保湿する必要があります。
常にハンドクリームを持ち歩く、家の中の目につく場所にネイルオイルを置いておく、など、保湿を欠かさない工夫も必要です。
高保湿の薬用ハンドクリーム。ハンドクリームは複数購入して身の回りに携帯し、常に保湿する習慣をつけましょう。アルコールフリーです。
爪のケア方法はこちらでも詳しくご紹介しています。
- 抗がん剤の副作用では爪が黒ずむほかにも、薄く脆くなったり割れてしまうことがある
- 黒く変色してしまった爪は元には戻らないがマニキュアでカバーできる
- マニキュアは水溶性のもの、除光液はアセトンが入っていないものを使用する
- 爪に負担のない粘着剤を使えばネイルチップも使える
- 爪の状態をこれ以上ひどくしないためにもこまめな保湿が大切
いかがでしたでしょうか? 爪の色が変わると気分も塞ぎがちになってしまうかと思いますが、爪はまた生え変わります。それまでの間、マニキュアやネイルチップを上手につかって、指先をきれいに整え、心地よくこの期間を乗り越えていきましょう。