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【乳がんと私】乳房再建とは前向きに生きること(miさん 50歳)

miさんにとって乳房再建とは前向きに生きること。胸を取り戻すだけでなく、心も取り戻すことができました。

ーー病院選びには苦労されたんですね。

そうなんです。乳腺と形成が違う病院になることにも不安があったので、自分で得た情報を話してそれで元の先生が何かしら提案をしてくれたらもう一度考えようと思っていましたが、「脂肪注入しか選択肢はありませんよ、エキスパンダーのまま5年くらいいてもいい、次の患者さんの時間だから」と話しもろくに聞いてくれませんでした。

そのときこの先生とはやっていけないと確信し、その場でB先生とC先生のいる神奈川県の病院への紹介状を書いてもらいました。 イケメン先生に振られた気がして、病院を紹介してくれた友達にえんえん泣きながら愚痴ったんです、お酒も飲んでたんだけど。

そしたら、「振られたんじゃない、こっちから振ったんだ、イケメンかもしれないけど、医者は顔じゃない、腕だよ!」と言われて(笑)

ーーそうですよ、顔じゃないですよ(笑) では再建手術は神奈川の病院で?

はい、2015年の1月に再建手術をしました。お腹からの穿通枝皮弁法です。

どうしておなかからの自家再建にしたんですか?

インプラントはやはり異物だという意識があってそれが不安だったこと、一人暮らしだから背中の傷のケアは難しい、お腹から作るとやわらかいお胸ができる、直感的にお腹でした。

ーー再建手術は痛みがつらいとおっしゃる方が多いですが、いかがでしたか?

手術の直前に二人の先生が「これからは僕たちが頑張るからね」と声をかけて下さいました。「もう私は頑張らなくていいんだ~。眠っている間に先生方がお胸を作ってくれるんだ~」と安心しました。

手術は8時間、入院は15日間だったんですが、お胸ができたうれしさで痛みを感じませんでした! テンションがずっと高くて! もちろん痛みはあったでしょうが、痛みで辛かった記憶はありません。(後にC先生からはそんな風には見えなかったと言われましたが…)

痛みや傷跡から一瞬再建したことを後悔する人もいるみたいですが、私の場合は再建を本当に待ち望んでいたので、まったく後悔がなく、ただただうれしかった。

ーーmiさんにとって再建はどういう意味があったのでしょうか?

A先​生が「再建すれば前向きに生きられる」と最初におっしゃってくれたから、私にとって「再建=前向き」なんです。再建しないと病気のことを忘れられないと思っていました。もちろん、忘れることなんてできないんですが。だから入院中はずっとうれしくて。

私の形成の先生方は「医療者がいいお胸ができたと思っていても、それを患者がいいと思わなければそれはいいお胸じゃない」とおっしゃいます。両先生とも患者が納得いくまで努力してくださる。あきらめましょうとは言わない。 同じB先生の患者さんで、術後自分で自分の傷が恐くて一度も見たことが無いという人が診察の時に「じゃあ傷は僕がみるから、見なくていいよ、あなたはただお胸ができるのを楽しみにしていてね」と声をかけてもらったそうです。

乳房再建というのは、胸を取り戻すだけでなく、乳がんになる前に戻る、心を取り戻すことだと。ただ、胸が膨らめばいいだけじゃない。医療者がそれを理解してそういう気持ちで取り組まなくてはならない、とB先生は話して下さいます。

ーー乳腺のA先生だけでなく、形成のB先生とC先生というすばらしい先生に出会われたんですね。

もう3人の先生に恋しています(笑)今日もこれからC先生の診察でバレンタインのチョコも渡すのですがいまからドキドキしていて。B先生にも渡します。(注:インタビューは2月の中旬でした)普段の生活にときめくことなんてないからすごくうれしい。

ーー私だってもうときめくことなんて普段の生活でないですよ(笑)

そうですよね(笑)もう今は先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。

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